お互いに話し合いで解決しなかった場合、裁判離婚の手続きをとることになりますが、その場合は、民法に定められている「法的離婚事由」がなければ認められません。
ここでは、民法が定める5つの法的離婚事由について解説します。
(1)不貞行為
結婚をした以上、夫にも妻にも、お互いに貞操を守る義務があります。これに違反した場合が不貞行為と呼ばれます。不貞とは、配偶者以外の異性と、自由意志で継続的に肉体関係を結ぶことです。
不貞行為を理由に、離婚請求する場合には、第三者も認めるようなはっきりとした証拠の提出が必要となってきます。たとえば、ラブホテルに二人で入る写真や、密会して外泊した記録のようなものです。あきらかに性的関係を結んでいたと推察できるような証拠でなければいけません。たとえば、単にどちらかの家に30分程度滞在したというのでは、「ただ話していただけ」と反論される可能性もあり、証拠としては弱くなります。
感情に流された訴えだけでない、物的証拠の提出が必要となることを覚えておいてください。
(2)悪意の遺棄
悪意の遺棄と呼ばれる具体的な行動としては、次のようなケースが挙げられます。
・生活費を渡さなければ、即困窮することがわかっているにもかかわらず、配偶者に生活費を渡さない
・配偶者と故意に同居しない
・配偶者を虐待したりして、家から出ていかざるを得ない状況をつくる
・家出をした、あるいは家出を繰り返す
・迎えに行っても、実家に帰ったきり帰ってこない
(3)3年以上の生死不明
生死不明とは、行方不明とは異なります。どこかにいることはわかっていても、所在がつかめないというのではダメで、生きているのか死んでいるのかわからないことが条件です。つまり、生存を証明することも、死亡を証明することもできない状態を言います。
3年の計算は、最後の音信があった時、最後の消息があった時から数えます。3年以上の生死不明の場合には、協議や調停での離婚ができませんので、調停を経なくても離婚の裁判を起こすことができます。
ただし、警察へ捜索願を出したり、考えられるところすべてへ連絡を入れたり、探偵や調査会社に依頼して八方手をつくして探したりしたという証拠資料が必要となります。
(4)強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
医師の診断を元に裁判官が判断します。判断の決め手となるのは、夫婦としての精神的なつながりがなくなり、正常な結婚生活の継続を期待できない程度の重い精神的障害かどうかということ。
ですから、必ずしも医学的に回復不能と判断された場合に限られるものではありません。ただ、この事由で離婚を認められるのは、きわめて難しいというのが現状です。
というのも、精神病院に入院して、すぐの離婚請求では認められず、精神病を有する者が、離婚後の療養・生活などにある程度めどがついた場合でないと離婚を認めるべきでないとされているからです。
(5)その他、結婚生活を継続しがたい重大な事由
(1)〜(4)に該当しない離婚事由になります。
具体的には、暴力、借金・浪費癖、ギャンブル、性の不一致、結婚生活を成り立たせなくなるような宗教活動、著しい性格・価値観の不一致、親戚との不和などが原因で、結婚生活が破綻したというようなケースです。
ちなみに、常に離婚の理由とされるベスト5は、次のようになっています。
1位 性格の不一致
2位 暴力
3位 異性関係
4位 経済力
5位 精神的虐待
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